最終更新日: 2025年4月23日 by 梅子
「不織布って、どうやって作られているの?」
そんな疑問を持った方へ向けて、この記事では不織布の基本構造から製法の違い、素材ごとの特徴、用途に応じた選び方までをやさしく解説します。
ラッピングやアパレル資材など、業務用にも使われることが多い不織布。
専門店ならではの視点で、実際に使う場面を想定しながらご紹介します。
不織布の仕組みを知ることで、より最適な包装資材選びにつながります。
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不織布とは?織らない布の仕組みと素材の種類
「不織布(ふしょくふ)」とは、その名の通り「織られていない布」のことです。
一般的な布は、縦糸と横糸を交差させて織っていきますが、不織布は繊維を熱や圧力などで結合してシート状に仕上げます。
そのため、布のような見た目でありながらも、ほつれにくく、軽くて加工がしやすいという特長を持っています。ラッピング資材やアパレル用の内袋、簡易バッグなど、さまざまな用途で利用されています。

不織布の読み方と英語表現
「不織布」は「ふしょくふ」と読みます。
業界では「nonwoven fabric(ノンウーブンファブリック)」という英語表現も一般的に使われており、展示会や海外の取引先とのやりとりでもこの用語が登場します。

不織布と織布の違いとは?
項目 | 不織布 | 織布(布地) |
---|---|---|
製造方法 | 熱や圧力で繊維を結合 | 糸を縦横に織って成形 |
ほつれ | ほつれにくい | 切ると糸がほどける |
加工性 | 軽くて加工しやすい | 丈夫で縫製が前提 |
コスト | 比較的安価 | 素材によって高価になることも |
不織布は特に「大量に、簡単に作れる布」として注目されており、近年ではエコバッグや衛生用品などにも使われています。
ラッピングの森で扱っている不織布の素材
ラッピングの森で取り扱っている不織布製品には、主に以下の2種類の素材があります。
■ポリエステル不織布
しなやかで上品な質感を持ち、対応製品は限られますが、特定用途に適しています。

■ポリプロピレン不織布
軽くて丈夫、扱いやすい素材で、ラッピングや袋製品などに幅広く使われています。

これらの素材は、製法や厚みによっても風合いや用途が異なります。
また、名入れ印刷の可否も素材ごとに異なりますので、詳しくは次章でご紹介します。
不織布はどう作られる?スパンボンド製法を中心に素材の特徴をやさしく解説
不織布の製造方法は、ケミカルボンド法やニードルパンチ法など様々な方法がありますが、ラッピングの森で取り扱っている不織布はスパンボンド製法で生産されています。
この製法では、まずポリマーと呼ばれる合成樹脂を押出機の中で加熱して溶融します。
次に、細い穴がたくさん開いた紡糸ノズルから溶融ポリマーを押し出し、長繊維(フィラメント)を作ります。
その後、引取り・分散装置の中で繊維を均一に分散させ、スクリーンベルトの上に流します。流れる繊維を熱エンボスロールで圧着し、ボンディング(接合)します。こうしてできたシートが不織布となります。生地の凸凹は、エンボスロールの柄によって形成されます。

簡単に言うと、合成樹脂を熱で溶かしてソーメンのように伸ばし、それを平らに圧着したもの。
スパンボンドは不織布の中でも特に丈夫で、業務用途にも広く使われている製法です。
その他の製法もあります
ラッピングの森ではスパンボンド製法を主に扱っていますが、不織布には他にもさまざまな製法があります:
- メルトブローン製法:非常に細かい繊維で構成され、フィルターなどに使用されます。
- ニードルパンチ製法:繊維を針で物理的に絡ませて形成する方法。厚手でしっかりとした質感になります。
- ケミカルボンド製法:繊維を接着剤などの化学薬品で結合させる製法。柔らかい質感が特長です。
関連情報: より詳しい素材の性質についてはこちらの素材解説ページをご覧ください。主にスパンボンド製の不織布を取り扱っており、用途に応じて厚みや手触りの異なる素材を用意しています。
製法と素材に合わせた不織布の選び方とおすすめ用途
不織布は、素材や製法によって風合いや強度が異なります。
ラッピングの森では、用途や印刷の有無に応じて、最適なタイプの不織布製品をご提案しています。
ここでは、実際の使用シーンをもとに、不織布の選び方とおすすめ用途をご紹介します。
不織布の厚みで「使い方」を選ぶ
不織布は、同じ形の袋でも厚みによって見た目や使い勝手が大きく変わります。
以下のように、入れるものの重さやボリュームに合わせて選ぶのがおすすめです。
■軽いもの向け
アクセサリー・焼き菓子など → 薄手タイプ(40g/m²)の平袋(やや透け感あり)

■やや重めのもの向け
衣類・小物など → 中厚手(75g/m²前後)のラッピング袋

■しっかりしたもの向け
冊子・カタログ・販促セットなど → 厚手(100g/m²)の不織布バッグ

名入れ・印刷に適した不織布の種類
ラッピングの森で取り扱っている不織布は、素材によって対応できる印刷方式が異なります。
■ポリプロピレン(PP)不織布
主にシルク印刷に対応しています。
シンプルなロゴや企業名などをくっきりと印刷するのに最適です。

■ポリエステル不織布
高温転写印刷(いわゆる昇華転写)専用です。
写真やグラデーションを含むフルカラー印刷が可能ですが、対応製品は限定されています。

印刷用途に向いている製品
印刷方法の違いや事例について詳しく知りたい方はこちら
印刷の方法について
まとめ|不織布の特徴を知れば、用途に合った選び方が見えてくる
不織布は「織られていない布」として、多彩な製法・素材で作られています。
中でも、ラッピングの森で取り扱うスパンボンド製法のポリプロピレン不織布は、ラッピング袋やバッグなど、業務用途での使いやすさ・コスパ・印刷対応力に優れているのが特徴です。
「なんとなく選ぶ」から「使いたい目的に合わせて選ぶ」へ。
素材と製法の違いを知っておくことで、より理想的な仕上がりにつながります。
不織布のカテゴリ別に商品を探したい方はこちら:
印刷の可否が気になる方は
→ 名入れの方法を詳しく見る
実物を見てから決めたい方は
→ 無料サンプル請求はこちら
よくあるご質問|不織布ってこういうところが気になります!
Q. 不織布って、シールがつかないって本当ですか?
A. はい、多くの不織布には表面に凹凸(エンボス加工)があり、通常のシールはつきにくいです。
「タイ付き袋」やタグ付き仕様など、別の留め方をご検討ください。【不織布にシールが付かない理由とは?】
Q. 名入れはできますか?どんな素材でも印刷できますか?
A. ポリプロピレン不織布にはシルク印刷やコピー転写印刷で名入れ可能です。ポリエステル不織布は高温転写印刷(昇華印刷)のみ対応しています。素材やご希望の仕上がりに応じてご相談ください。名入れ対応ページはこちらか
Q. 保管時にシワがついてしまいました。対策はありますか?
A. 不織布は熱に弱いため、アイロンを使用する際は低温設定&あて布を必ず使用してください。詳しくは以下のガイドをご覧ください: 不織布のシワ対策ガイド
Q. 不織布の素材や厚みの違いがわかりにくいです。
A. 商品カテゴリページでは「厚み別」「サイズ別」に絞り込みが可能です。
また、気になる方には無料サンプルのご利用もおすすめです。