最終更新日: 2024年6月6日 by 梅子
不織布についてしまった折りジワって、しつこくてなかなか取れないですよね。
アイロンをかけていいのか迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、不織布のシワを取り除く基本的な方法から、アイロンを使った具体的な手順や注意点、厚みのある不織布に適した対策まで幅広く紹介します。
さらに、不織布が溶けないための工夫や、シワを防ぐための保管方法についても詳しく解説します。
目次
不織布にシワをつけてしまった!そんなときの基本的なシワ伸ばし方法
不織布は高温のアイロンはNG
不織布にシワが付いてしまい、アイロンをかけようかなと思っている方へ。
不織布は熱に弱く、溶ける習性を持っています。
高温でアイロンをかけると溶けてしまう危険があるので、絶対に避けてください。
アイロンを使う前に必ず設定温度を確認し、低温で使用することが大切です。
不織布の特性については、詳しくはこちらをご覧ください。
アイロンの設定温度と、不織布の融点について
不織布には「融点」があることをご存知でしょうか?
「融点」とは、物が溶ける温度のことです。
一般的な不織布の融点は約100〜150℃ですので、アイロンをかける際は、設定温度をこれ以下にする必要があります。
アイロンを使う前に必ず温度設定を確認し、低温で使用することを心がけましょう。
家庭用アイロンには、日本産業規格(JIS)によって温度設定が決まっており、以下のようになっています。
- 高温:180〜210℃
- 中温:140〜160℃
- 低温:80〜120℃
不織布の融点を超える温度でのアイロンがけは基本的にNGです。
不織布にアイロンをかける際は、融点を考慮して適切な温度設定をしてください。
スチームアイロンは避けたほうがいい
家庭用スチームアイロンでは通常、中温設定からスチームが出る設定になっており、低温設定ではスチームが出ません。
そのため、中温設定ではポリプロピレン不織布の融点を超えてしまい、当て面を近づけすぎると溶けてしまいます。
生地に当てないようにスチームアイロンをかければ溶けませんが、当て布を使って低温でアイロンするよりも効率が悪くあまりおすすめしません。
アイロンを使ったシワ取りの基本手順
アイロンの低温設定でも、不織布の融点を超える場合があります。
そのため、低温であってもいきなりアイロンを直接当てるのは避けてください。
お手持ちのアイロンを設定できる一番低い温度に設定してください。
当て布を用意します。
当て布の素材としては、綿やリネンなどの自然素材が適しています。
また、ガラス紙も利用できますが、高価なので一般的には綿やリネンの生地で問題ありません。
当て布を霧吹きなどで湿らせてから使用すると最適です。
不織布に当たるアイロンの温度ができるだけ低くなるようにします。
やさしくアイロンを当てます。低温ではしわは伸びづらいですが、しわが伸びないからといって急激に温度を上げないようにしてください。溶けてしまう危険があります。
アイロンで不織布を溶かさないための対策
当て布を利用する
アイロンをかける際には、低温設定のアイロンでもアイロンと不織布の間に常に当て布を挟むようにしてください。
さらに、当て布は霧吹きなどで濡らしてください。表面の温度をより低く保つためです。
ただし、印刷が入った不織布へのアイロンはご注意ください。
シルク印刷面へのアイロンの注意点
ここからはラッピングの森の印刷面への例ですが、シルク印刷が入った面についてはアイロンをかけることは問題ありません。
ただし、ごくごく低く設定したアイロンを乾いた当て布を挟んでアイロンをしてください。
昇華印刷へのアイロンの注意点
コピー転写や高温転写といった、いわゆる昇華印刷を施した生地に関しては、印刷面にはアイロンをかけないことが望ましいです。
印刷面にテカリが出て、元の印刷の美しさは損なわれる恐れがあります。
厚みのある不織布のシワ取り方法
厚みのある不織布、特にラッピングの森で取り扱っている100g/m²のものは、一般的な不織布と比べてシワが付きにくい反面、一度シワがつくと取り除くのが難しい特性があります。
このような不織布には特別な対策が必要です。
アイロンでシワをとるのは難しい
ポリプロピレン不織布は家庭用アイロンの低温でしかアイロンが当てられないため、シワを取り除くには長時間のアイロン当てが必要です。
それでも完全にシワを取り切るのは難しいことが予想されます。
厚みのある不織布は、アイロンでシワを取るのが特に難しいです。
どうしても気になる場合は重石で
それでもシワが気になる場合は、重石を使ってシワを伸ばす方法があります。
不織布を平らな面に広げ、その上に均等に重石を載せて数日間放置します。
この方法は、アイロンを使わずにシワを自然に伸ばすことができますが、時間がかかる上に、それでもシワが完全に取れない場合もあります。
不織布製品の保管方法とシワ防止
不織布の適切な保管環境
不織布製品を長期間美しく保つためには、適切な保管環境が重要です。
紫外線のあたる場所での保管は避けてください。劣化します。
また、これまでに述べたように、アイロンでのシワ取りも完全には難しいので、そもそもシワがつかないように保管しましょう。
シワを防ぐための収納方法
不織布製品を収納する際は、シワが気になる場合はできるだけ折りたたまずに平らな状態で保管することをお勧めします。
もし折りたたむ必要がある場合は、シワがつかないようにゆったりとした形で収納し、重い物を上に載せないようにしましょう。
まとめ
不織布のシワ取りは、意外とコツが必要ですが、少しの工夫で驚くほどキレイに仕上がります。
低温アイロンや当て布の使い方を工夫したり、重石を使って自然にシワを伸ばしたりすることで、大切な不織布製品を美しく保つことができます。
また、普段の保管方法にも気を配ることで、シワが付きにくくなります。
これらのポイントを押さえて、長く愛用できるようにしましょう。
新型コロナウィルスの影響で、マスク不足の為不織布のマスクを煮沸消毒する映像を見ましたけど、実際できるのですか?
煮沸すること自体は可能だと思いますが、不織布ですので熱で変形したりはしそうです。
そういうこともあり、消毒して使うことに意味があるかどうかはわかりかねます…。
私どもの扱っている不織布が、マスク等の衛生用品の不織布とは違いますので、詳しくはマスクのメーカー様にお問い合わせくださいませ。
アイロンに溶けた不織布はどうやって取れますか?
お持ちの不織布の種類によるかもしれませんが、こちらの記事の不織布は、アイロンが冷えるまで待ったら不織布自体が固まってぽろっと取れました。
ご参考までに。